スマートフォンで利用するアプリには「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」の2種類が存在します。
「2つのアプリの違いがわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事ではアプリの種類、それぞれのメリット、デメリット、ネイティブアプリに適したサービスについて解説します。

アプリ開発を検討中の方は、ぜひアプリの種類を決める参考にしてみてください。

ネイティブアプリとは?

ネイティブアプリとは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末にダウンロードして利用するアプリケーション(アプリ)のことです。
iOS向けのネイティブアプリはiPhoneやiPadで、Android向けのネイティブアプリはAndroidデバイスで利用することができます。

App StoreやGoogle Playストアなどのアプリストアを通じて、さまざまなネイティブアプリを検索し、インストールして利用できます。
例えば、InstagamやFacebookなどのSNS、ゲーム、天気予報アプリ、ショッピングアプリなどがネイティブアプリの一例です。

ネイティブアプリ以外にも、Webアプリやハイブリッドアプリと呼ばれるものもあります。
各アプリの概要を簡単にまとめてみました。
それぞれの違いについては、後半で詳しく見ていきましょう。

アプリの種類概要
ネイティブアプリデバイスにインストールするアプリ
WebアプリWebブラウザ上で利用するアプリ
ハイブリッドアプリネイティブアプリとWebアプリを合わせたアプリ

ネイティブアプリのメリット

ITサービスをネイティブアプリ化させることのメリットは次の5つです。

①端末機能の利用が可能
②オフラインでも利用できる
③動作が速い
④アプリストアの厳しい審査を通過しているため安全
⑤継続的な利用が見込まれる

①端末機能の利用が可能

ネイティブアプリ最大のメリットは、カメラ機能やプッシュ通知、位置情報などの端末機能が利用できることです。
例えば、カメラを使用して写真を撮影したり、位置情報を利用して周辺の情報を表示したり、通知機能を活用してリアルタイムの情報を提供したりできます。

例えば、Niantic Labs社が開発・運営している「ポケモン GO」では、ユーザーの位置情報を元にアイテムの配置を行ったり、ARカメラ機能で現実世界とアプリの世界を融合した写真を撮影できたりと、デバイス機能をフル活用しています。

画像出典:基本の遊び方|ポケモン GO 公式サイト

②オフラインで利用できる

ネイティブアプリは、機能によっては、一度ダウンロードすればインターネット接続がない状況でも利用できます。
これは、アプリがデバイス内に必要なデータやリソースを保存し、それを利用するための特別な機能を持っているからです。
例えば、地図アプリは事前に地図データをダウンロードしておき、オフライン時にも地図を閲覧できるようにします。
また、メモアプリはオフラインでノートを作成し、後でオンラインに同期できます。

ただし、アプリによってはオフラインで利用できない場合(XやInstagram、オンライン通信を要するソーシャルゲームなど)もありますので、注意が必要です。

③Webアプリよりも動作が速い

端末でアプリを起動するので、Webアプリと比較すると動作が速く使いやすいです。
通信環境が悪くても比較的ストレスがなく、ユーザーの評価は高い傾向にあります。
また、インストールすれば端末上にアイコンが表示されるので起動も簡単です。

④アプリストアの厳しい審査を通過しているため安全

ネイティブアプリは、プラットフォームごとに厳格なセキュリティ基準に準拠して開発されます。
アプリストアからダウンロードされるネイティブアプリは、セキュリティスキャンや審査を通過しており、マルウェアやウイルスなどの脅威から保護されています。
例えば、Apple社のApp Storeでは、以下のような審査基準が設けられています。

安全性:不快なコンテンツはないか、デバイスを損傷するような欠陥はないかなど
パフォーマンス:未完成なページやバグ、機能していないリンクはないか
ビジネス:アプリのビジネスモデルや課金形態に関する審査
デザイン:画像やフォントサイズ、その他機能性など
法的事項:犯罪行為を誘発・促進していないかなど

参考:App Store Reviewガイドライン|Apple

⑤継続的な利用が見込まれる

アプリをインストールするまでのハードルは少し高いですが、一度インストールしてしまえば、継続的なアクセスが見込まれます。
Webアプリでは、いちいち検索しないと利用できませんが、アプリは端末上のアイコンをタップするだけで利用できるからです。
また、ネイティブアプリは通知機能を活用してユーザーを定期的に引き戻すことも可能です。

ネイティブアプリのデメリット

①プラットフォームごとの開発が必要

ネイティブアプリは、特定のプラットフォーム(iOS、Android、Windowsなど)向けに別々のバージョンを開発する必要があります。これは、各プラットフォームのプログラミング言語や開発環境が異なるためです。
ちなみに、FlutterFlowであれば、Android/iOS/Webアプリを同時に開発できるため、開発コストを下げつつ、開発スピードもUPします。

「FlutterFlowでのアプリ開発に興味がある」という方は、ぜひ一度ご連絡くださいませ。
FlutterFlowの開発に強みがある株式会社ランデストがお力になります。

開発スピード10倍のノーコード「FlutterFlow」の開発支援サービスを提供開始|PRTIMES

②アップデートの管理が必要

ネイティブアプリの場合、新しいバージョンや機能の追加、バグ修正などのアップデートを頻繁にリリースする必要があります。
ユーザーがアプリのアップデートをしてくれない場合、古いバージョンのアプリがセキュリティリスクを引き起こす可能性もあります。

③インストールとストレージの制約

ネイティブアプリの利用には、ダウンロードが必要です。
ユーザーによっては、スマートフォンのストレージ容量が限られていたり、インターネット接続が不安定であったりするため、アプリのダウンロードや更新が制約されることがあります。

④アプリストア手数料がかかる

アプリストアは、アプリ内課金から一定の手数料を取っています。
例えば、サブスクリプションのアプリの場合、Apple Storeでは手数料が30%もかかります。
※リリースから1年経過すると15%に引き下げ
参考:App内課金|Apple

GooglePlayStoreでも同様に、提供元の売上が年間100万ドル(約1億4000万円)を超える場合は手数料30%、超えない場合でも15%が手数料としてかかってきます。
参考:サービス手数料|Play Consoleヘルプ

Webアプリとの違いは?

Webアプリは端末にインストールせず、Web上で操作するアプリのことです。
通常のWebサイトと同様に、ブラウザから流入し、操作します。

Webアプリのメリット

①自由度が高い

アプリケーションストアの審査がないので、自由度が高いアプリの開発が可能です。

②インストールしなくて良い

アプリを端末にダウンロードする手間がなく利用できます。
ユーザーにとって利用するハードルが低いと言えるでしょう。

③OSを選ばない

iOS、Andoroid OSのどちらでも操作可能です。
ネイティブアプリであれば、同じアプリでも別のOSであれば別の言語での作成が求められ、単純に2倍以上の手間がかかります。

そのため開発コストや期間を抑えられます。

Webアプリのデメリット

①動作が遅い

ネイティブアプリと比較すると動作が重く、使いにくいことがデメリットです。

②端末のスペックや動作環境に左右される

ブラウザ上で動作するので端末スペック、動作環境に性能が依存してしまいます。

どちらかが不調であれば機能しないこともあることが難点です。

③セキュリティリスクが高い

ウイルス、情報流出や不正アクセスのリスクがあります。

このようなトラブルの対策もとらなければなりません。

ハイブリッドアプリとの違いは?

ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリを組み合わせたアプリです。

アプリをインストールし、Webview上でWebを読み込みます。

ハイブリッドアプリのメリット

①端末機能の利用が可能

ネイティブアプリの特性であるプッシュ通知などの端末機能の利用ができます。

しかし、一部の機能は利用できませんので要注意です。

②どのOSでも操作可能

Webを読み込んで動作するので、どのOSでも利用できます。

これによって開発、アップデートのコストや期間の削減が可能になります。

ハイブリッドアプリのデメリット

①アプリケーションストアによる審査

ネイティブアプリと同じです。

アプリをインストールする必要があるので、開発のハードル、ユーザーの利用ハードルは高くなってしまいます。

②ネイティブアプリと比較すると動作が遅い

Webアプリと同様で動作環境によっては遅延が起こります。

注目の選択肢「PWA」とは

PWA(Progressive Web Apps)とは、Webブラウザ上でネイティブアプリのように使える機能です。
ハイブリッドアプリ以上に2つのアプリの長所を組み合わせた選択肢として、採用する企業が増加しています。

ネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリ・PWA比較表

メリットデメリット
ネイティブアプリ・端末機能の利用可・オフラインで利用できる・動作が速い・安全性が保障されている・継続的な利用が見込まれる・開発コスト、期間がかかる・集客が難しい・アプリケーションストアによる審査がある・自由度が低い・利用手数料
Webアプリ・自由度が高い・インストールしなくて良い・OSを選ばない・動作が遅い・端末スペックや動作環境の影響が大きい・セキュリティリスクが高い
ハイブリッドアプリ・端末機能の利用可・OSを選ばない・アプリケーションストアによる審査がある・動作が速くない
PWA。端末機能の利用可・インストールせずにアイコン追加が可能・アプリケーションストアの審査がない・自由度が高い・ブラウザによって機能が制限される・仕様が複雑で開発コスト、期間が高くなる

まとめ

ネイティブアプリを中心に、アプリの種類や特徴について解説しました。

ネイティブアプリ:端末にインストールするアプリ
Webアプリ:Web上で使用するアプリ

アプリ開発をする際に、想像しやすいのはネイティブアプリですが、
それぞれのアプリにメリットとデメリットがあるので、目的に合わせて選ぶのが良いでしょう。

現在のアプリ開発者は、同じアプリでも種類が異なっていれば別の言語で作成することが求められます。
そのため、労力、期間、予算を抑えようにも限界があるので開発は慎重に行いましょう。