【保存版】サイト・オウンドメディアをアプリ化するメリットや注意点は?

オウンドメディアのユーザー体験をもっと良くしたい、もっとユーザーとの心理的距離を縮め、自社のファンを創っていきたい、そう考えたときの打ち手の一つが「サイト・オウンドメディアのアプリ化」です。
アプリ化することでユーザーとの接点を強化し、より良いユーザー体験を提供できるためです。サイトをアプリ化する方法には、大きく分けて以下のような選択肢があります。
- ネイティブアプリ(iOS/Androidアプリ):スマートフォンに直接インストールして利用するアプリ。App StoreやGoogle Playから配布され、端末の機能をフルに活用できます。ただしプラットフォームごとに開発が必要です。
- PWA(プログレッシブウェブアプリ):ウェブ技術で構築し、ネイティブアプリのように使えるウェブアプリの手法です。インストール不要で即時利用可能な点が魅力で、オフライン動作やプッシュ通知などネイティブに近い機能を実現します。
- FlutterFlowによるアプリ開発:FlutterFlowはGoogle発のノーコード開発プラットフォームで、コーディングなしでモバイルアプリを構築できます。単一のソースからiOS・Android両対応のアプリを短期間で開発可能です。
本記事では、上記のPWAやFlutterFlowに焦点を当て、サイトをアプリ化するメリットや具体的な方法、成功事例、導入時の注意点について解説します。
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サイトをアプリ化するメリット
ウェブサイトをアプリ化することで得られる主なメリットを紹介します。ユーザーエクスペリエンスの向上からマーケティング効果まで、多角的な利点があります。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上
アプリ化によりページ表示の高速化やオフライン対応が可能になります。例えばPWAでは過去に取得したコンテンツを端末にキャッシュし、通信圏外でもスムーズに閲覧できます。表示速度が速くなることで直帰率が下がり、ユーザー満足度が高まります(ページ読み込みが1秒改善すると直帰率が約7%減少するというデータもあります)。
プッシュ通知によるエンゲージメント強化
アプリならではのプッシュ通知機能で、新着記事や更新情報を直接ユーザーに届けられます。プッシュ通知の許諾率はiOSで約51%、Androidで81%にも上り、メールマガジンに比べて開封率が5倍以上高いとの統計もあります。定期的な通知により再訪問を促進し、ユーザーのリピート率向上が期待できます。
ブランディングとユーザー維持
アプリを通じて自社のアイコンがユーザーのホーム画面に表示されることで、日常的なブランド露出が強化されます。さらにアプリではユーザーごとのお気に入り機能や履歴に基づいたパーソナライズ配信など、きめ細かな体験提供が可能です。こうした機能によりユーザーとの関係性が深まり、長期的なエンゲージメントにつながります。
オフライン対応
ネット接続が不安定な環境でもアプリなら一定の機能が使えるため、ユーザーは場所を選ばずコンテンツを利用できます。特にPWAはオフラインでも記事閲覧や一部機能の動作が可能で、ユーザーの利便性を損ねません。
SEOやトラフィックの向上効果
PWAの導入によってサイトの表示速度やモバイルでのユーザー体験が改善すると、検索エンジンからの評価も向上し得ます。実際、日経電子版ではウェブサイトをPWA化した結果、オーガニックトラフィックが2.3倍に増加し、コンバージョン率も58%向上するといった成果が報告されています。このようにサイトの高速化とユーザー滞在時間増加によって、間接的にSEO効果が高まるケースもあります。
以上のように、サイトをアプリ化することでユーザー体験の質と量の両面でプラスの効果を得られる可能性があります。

サイトをアプリ化する方法
では具体的に、どのようにサイトをアプリ化できるのでしょうか。代表的な方法であるPWAとFlutterFlowを活用した開発、それぞれの特徴と導入の流れを見ていきます。
PWA(Progressive Web Apps)の導入
PWAはウェブサイトをネイティブアプリのように振る舞わせる技術です。実装には、サイトにサービスワーカー(Service Worker)と呼ばれるスクリプトを登録し、オフライン用のキャッシュ制御やプッシュ通知受信を可能にします。なおPWAを利用するにはサイトをHTTPS化しておく必要があります。この手順により、ユーザーはブラウザ経由でアクセスしたサイトを「ホーム画面に追加」でき、以降はアプリのようにワンタップで利用可能になります。特に既存のウェブメディアを短期間でアプリ化したい場合、PWAの導入は低コストで効果を発揮します。
FlutterFlowを活用したノーコードアプリ開発
FlutterFlowを使えば、専門的なプログラミング知識がなくても直感的な操作で本格的なスマホアプリを作成できます。FlutterFlow上で画面UIをドラッグ&ドロップで設計し、フォームやAPI連携などのロジックを設定すれば、バックエンドとの接続も含めたアプリが完成します。生成されるアプリはGoogleのフレームワークであるFlutter製で、iOSとAndroid双方に対応したネイティブアプリとしてエクスポート可能です。低コスト・短期間で開発できるのが大きな魅力であり、自社のオウンドメディアを素早くアプリとして提供したい場合に有力な選択肢です。
その他の低コスト開発手段
上記以外にも、WebViewを用いて既存サイトをそのまま表示する簡易アプリを作る方法や、React NativeやFlutterといったクロスプラットフォームフレームワークによる自社開発も考えられます。社内のリソースや求める機能に応じて、最適な方法を選びましょう。重要なのは、開発コスト・期間とユーザー体験のバランスをとることです。既存サイトの資産を活かしつつ付加価値を提供できるアプリ化手段を選定してください。
成功事例
実際にオウンドメディアをアプリ化して成功した事例を見てみましょう。
日経電子版(日本経済新聞社)
日本経済新聞の電子版サイトでは、PWA技術をいち早く導入したことで大きな成果を収めました。ページ表示の高速化(SpeedIndexが2倍改善)や、サービスワーカーによる事前読み込みで読込速度が75%短縮されるなどUXが向上し、それがビジネス指標に直結しました。
その結果、オーガニック検索経由のトラフィックが従来の2.3倍に増加し、有料会員登録などのコンバージョンも58%増加したと報告されています。ユーザー数も大幅に伸び、1日あたりのアクティブユーザーが約1.5倍になるなど、サイトのアプリ化が利用促進につながった好例です。
株式会社小泉
住宅設備の総合商社である小泉は、アプリ会員限定のクーポン施策によりダウンロード数が前月比131%増加しました。この事例では、アプリ化によってユーザー参加型のキャンペーンを展開し、結果的に利用者数と再訪率のアップに成功しています。
これらの事例からも、適切な形でサイトをアプリ化することでユーザー数の拡大や利用頻度の向上、さらには収益増加などの成果につながる可能性がうかがえます。

画像出典:アプリ企画で再来店率75%・プラチナランク会員の育成に成功|株式会社小泉
サイトをアプリ化する際の注意点
最後に、サイトをアプリ化するプロセスで押さえておきたい注意点や検討ポイントをまとめます。
PWAとネイティブアプリの選択基準
PWAはインストールの手間がなく検索経由で訪れたユーザーにもそのまま利用してもらえる利点がありますが、iOS端末ではユーザーが自発的に「ホーム画面に追加」しない限りプッシュ通知を受け取れないなど制約もあります。
一方ネイティブアプリはストア公開が必要でダウンロードのハードルがありますが、端末固有の機能を活用した高度な処理やリッチなUIを実現しやすい点がメリットです。自社の目的に照らし、幅広いユーザーへのリーチを優先するならPWA、リッチな体験や既存ユーザーとの深い接点を重視するならネイティブアプリといったように使い分けるのが望ましいでしょう。
インストール促進の施策
PWAではブラウザの「ホーム画面に追加」機能を活用してインストールを促しましょう。ネイティブアプリの場合は、Webサイト上にダウンロード誘導バナーを表示したり、初回インストール特典クーポンを提供するといった工夫が効果的です。
技術的な課題と解決策
アプリ化にあたっては技術面の課題にも注意が必要です。例えばFlutterFlowなどで構築したアプリはSEO対策が未対応のため、検索流入を狙うならば従来のウェブサイトも並行して運用する必要があります。
つまり、オウンドメディアとしてのSEO対策は引き続きウェブコンテンツ側で実施しつつ、アプリではプッシュ通知や会員機能など付加価値を提供する形が理想です。またネイティブアプリを公開する場合はストア申請やアップデート対応、複数OSでの検証など運用面の負担も考慮しましょう。
まとめ
スマートフォン全盛の現在、自社サイトやオウンドメディアをアプリ化することは、ユーザー体験とエンゲージメントを飛躍的に高める有効な施策になり得ます。特に主要な読者層がモバイルユーザーである場合や、プッシュ通知で積極的に情報発信を行いたい場合、アプリ化のメリットは大きいでしょう。逆に検索流入頼みで一見さんが多いメディアの場合は、まずコンテンツ拡充やSEO強化を優先し、ファンが育ってきた段階でアプリ化を検討しても遅くありません。
サイトをアプリ化すべきか迷ったら、まずは本記事で紹介したPWAのような手軽な手法で小さく試験導入してみるのも一案です。PWAで反応を見ながら、本格的にネイティブアプリを導入する際にはFlutterFlowなどのプラットフォームを活用することでスピーディーに開発できます。
自社内に十分な開発リソースがない場合でも、ノーコードツールの活用や専門パートナーへの相談によって、短期間でのアプリ化は十分可能です。
自社メディアの性質と目的に合った形でアプリ化を進め、ユーザーとの接点強化やビジネス成果につなげていきましょう。もし具体的なアプリ化の進め方について相談が必要であれば、専門企業への問い合わせを検討したり、まずはFlutterFlowでプロトタイプを作成してみることをおすすめします。
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