マッチングアプリの開発の相場は1,000万円!?注意点も徹底解説
マッチング:/;アプリは一昔前まで出会い系アプリと混同されがちでしたが、利用者の拡大とともに安全性も高まり、年々市場規模を拡大しています。
「国内オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場規模予測」のデータでは、2021年時点ですでに768億円を記録しており、2026年には1,657億円規模にまで成長することが予測されています。
令和4年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業(未婚化・晩婚化・晩産化等の少子化対策関連サービス産業基盤調査事業)調査報告書|経済産業省
マッチングアプリの市場規模が拡大するにつれ、従来の恋活・婚活を目的としたアプリに加え、企業と転職者をつなぐマッチングアプリ、企業と学生をつなぐマッチングアプリ、スポ活や趣味の友だちを探すマッチングアプリ、ベビーシッターを探すマッチングアプリなど、様々な出会いの場として広く活用されるようになりました。
今後も出会いの場として、マッチングアプリの可能性はさらに広がるであろうことから、新たなビジネスチャンスとしても高く注目されています。
本記事では、マッチングアプリの概要や主な機能について説明します。加えて、マッチングアプリの開発にかかる費用相場や期間、アプリ開発における注意点、アプリ開発におすすめのノーコード「FlutterFlow」や補助金についても紹介します。
これからマッチングアプリを開発しようと考えている方、マッチングアプリで新たな事業を展開したいと考えている方、アプリの開発コストに課題を感じている方はぜひチェックしてください。
1.マッチングアプリとは
マッチングアプリとは、共通の目的をもつ個人同士の出会いや交流をサポートするアプリです。以前はマッチングアプリ=恋人探しや婚活が主流でしたが、最近では就職、転職、スポーツコミュニティなど幅広い分野でマッチングアプリが活用されています。
代表的なマッチングアプリをいくつか紹介します。
■恋愛系マッチングアプリ
・Pairs(ペアーズ):https://www.pairs.lv/
∟累計登録者数2,000万人を超える、国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリ。検索や出会いをサポートする豊富なアプリ機能が特徴。
・ゼクシィ縁結び:https://zexy-enmusubi.net/
∟リクルートのゼクシィから生まれた婚活サービス。独自のお見合い機能があり、男女とも有料で真剣度が高いことが評判。
・Tapple(タップル):https://tapple.me/
∟グルメや映画、スポーツ観戦など好きなことから恋の相手を見つけることができる恋活・婚活マッチングアプリ。
・with(ウィズ):https://with.is/welcome
∟心理学をもとにした無料の価値観診断・性格診断で、相手を探せる恋活・婚活マッチングアプリ。
■ビジネス・就活系マッチングアプリ
・GLIT(グリット):https://glit.io/
∟50万件以上の求人情報の中から、自分に合った仕事をAIが自動でレコメンドする転職マッチングアプリ。
・Yenta(イェンタ):https://page.yenta-app.com/
∟人工知能を活用したビジネスパーソン向けのマッチングアプリ。
・ビズリーチ・キャンパス:https://br-campus.jp/
∟大学生とOB・OGをつなぐ、OB・OG訪問の新しい形のマッチングサービス。
・N/thestory(エヌジストリー):https://n.thestories.jp/
∟やりたいことや学びたいスキルにぴったりの医療機関から直接スカウトが届く、看護師向けの転職・採用マッチングアプリ。
■友だちづくりマッチングアプリ
・Touch(タッチ):https://couloge.co.jp/bo-tomo/
∟女性の友達とつながるための女性限定マッチングサービス。
・Tinder(ティンダー):https://tinder.com/ja
∟世界中の男女に人気の無課金で始められるアメリカ発マッチングアプリ。
■スポーツ系マッチングアプリ
・Life SPORTS(ライフスポーツ):https://lifesports.jp/
∟スポーツイベントや習い事、施設などが簡単に探せるスポーツマッチングアプリ。
・Golwho(ゴルwho):https://golkatsu.com/lp
∟ゴルフ仲間を増やしたい、ゴルフを教えてほしいなど、ゴルフ好きとつながれるゴルフ特化型マッチングアプリ。
・ENSPORTS(エンスポーツ):https://www.ensports.com/
∟スポーツ好きが集まる恋活・婚活・スポ活マッチングアプリ。
■その他のマッチングアプリ
・KIDSNAシッター(キズナシッター):https://sitter.kidsna.com/
∟保護者と100%有資格のベビーシッターをつなぐマッチングサービス。
この他にも、市場には様々なマッチングアプリが溢れており、今後も「マッチング」を軸とした多彩なサービスが登場することが予想されます。新たな視点でのマッチングアプリは、新たなトレンドを生む可能性もはらんでいるといえるでしょう。
1. マッチングアプリの主な機能
マッチングアプリには、利用者同士をマッチングさせ、かつコミュニケーションをサポートするための様々な機能が求められます。個人情報の「登録機能」にはじまり、好みの相手を探しだす「検索機能」、連絡を取り合う「メッセージ機能」、その他にも安全性を高めるための「年齢認証機能」などセキュリティ対策のための機能も重要なポイントです。
主な機能は以下の通りです。
■基本機能
会員登録、ログイン・ログアウト、退会、検索
■コミュニケーション機能
メッセージ、SNS連携
■セキュリティ機能
年齢認証、本人確認、ブロック、違反報告、管理・監視
こうした基本機能にオリジナリティを高める独自機能を加えていくことで、他社のマッチングアプリと差別化を図ることが可能です。
2. マッチングアプリの開発費用相場と期間
では、マッチングアプリを開発する場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?シンプルな機能のみの場合と、本格的なマッチングアプリを開発する場合、それぞれの費用相場について解説します。
1. シンプルな機能のみの場合:400〜600万円
エンジニアと開発日数をもとにした試算で、一般的には約400〜600万円が開発費用の相場とされています。これは、会員登録などの基本的な機能に加え、プッシュ通知機能やメッセージ機能を備えたマッチングアプリを想定しています。
マッチングアプリの機能を充実させれば、その分、開発日数がかかり、コストも増えることを覚えておきましょう。
2. 本格的なマッチングアプリの場合:約1,000万円以上
コミュニティ機能やマッチング精度を高める独自機能を盛り込むなど、より機能を充実させたい場合は先ほど紹介した相場の倍、約1,000万円以上を想定しておきましょう。
とはいえ、コストがかかるからと機能を必要以上に制限することはあまりおすすめできません。使い勝手の良さを左右するユーザビリティはもちろん、監視やブロックなどマッチングアプリの安全性を高めるセキュリティ機能は、いまや欠かせない機能の一つです。
他社のマッチングアプリを参考にしながら、コストのバランスを図り、自社にとっての必要な機能は何か、強みとなる機能は何かを検討していきましょう。
3. マッチングアプリ開発の注意点!
マッチングアプリを開発する際、コスト以外にもいくつか気をつけるべき点があります。開発にかかる費用とあわせて、以下の注意点も押さえておきましょう。
1. マッチングアプリの審査は厳しい
マッチングアプリを多くの人に利用してもらうためには、GoogleおよびAppleのアプリ審査をクリアする必要があります。アプリが公序良俗に反していないか、課金に正当性はあるか、デザインに問題はないかなど細かくチェックされます。
マッチングアプリの場合は、利用に際しての未成年への配慮も重要な審査ポイントとなってくるでしょう。
たとえばAppleの審査基準は、ユーザーへの不快感やデバイスへの影響に配慮した「安全性」、バグやエラーのない「パフォーマンス」、料金体系を明確にする「ビジネス」、さらにUIなどの「デザイン」にも細かな審査基準があり、審査クリアは容易ではありません。
さらに、AndroidアプリにはGoogle独自の審査基準があり、iPhoneアプリとAndroidアプリの両方をリリースしたいと考えているなら、どちらの審査基準もクリアできるよう開発を進めていかなければいけません。
Apple、Googleそれぞれの審査基準をクリアするためにも、マッチングアプリ開発を始める前から各ガイドラインを押さえておくことが大切です。
2. プロモーションの難易度が高い
マッチングを成立させ、かつ精度を高めるためには、初めの段階からある程度のユーザー数が必要となってきます。そのため、アプリをリリースしたら、まずは大々的にプロモーションを行い、ユーザーを囲い込む必要があります。
より多くの目に留まるために、CM動画や広告の出稿なども欠かせません。マッチングアプリは競合サービスが多いため、他社との差別化を図る手段として、タレントやインフルエンサーに依頼することもあり得ます。
マッチングアプリは多くのユーザーを一気に獲得する必要があるため、このようにどうしてもプロモーションコストが高くなってしまいます。そのためアプリの開発費用だけでなく、プロモーションコストも事前に計画しておきましょう。
3. サーバー負荷が予測しにくい
アプリにおいて、大きな影響を及ぼすのがサーバーダウンです。サーバーダウンとは、一時的にアクセスが集中することでサーバーに過剰な負荷がかかり、停止してしまう現象です。ゲームのアプリではイベント開催時など、ユーザーが同時にアクセスするような状況にサーバーダウンが見られます。
マッチングアプリの場合は、予期せぬタイミングで偶然アクセスが集中するといったことが起こり得ます。他のアプリに比べ、サーバー負荷を予測しにくいこともマッチングアプリ開発の難しいポイントといえるでしょう。
4. マッチングアプリの開発コストを抑えるには?
マッチング精度を向上させ、ユーザーの満足度を高めるために、マッチングアプリには様々な機能を充実させる必要があります。
では機能を充実させながら、開発コストを少しでも抑えるには、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、マッチングアプリ開発のコスト削減に有効な2つの方法を紹介します。
1. FlutterFlowなどのノーコード技術を活用する
コストを抑えながら、充実した機能のマッチングアプリを開発するには「FlutterFlow」の活用がおすすめです。Googleが開発している「Flutter」というクロスプラットフォーム開発のフレームワークから派生した、モバイルアプリケーションのためのノーコード開発ツールが「FlutterFlow」です。
クロスプラットフォームとはWebアプリ、Androidアプリ、iOSアプリを同時に開発できる手法です。従来は、AndroidであればKotlin、iOSであればSwiftといったように、別々で開発する必要があり、その分、開発期間やコストが膨らんでいました。
「FlutterFlow」はこのように従来の課題であったクロスプラットフォームを可能にしながらも、ドラッグ&ドロップのシンプルな操作性、かつ複雑な機能を実装できる点も魅力です。多彩な機能を備えつつ、コスト削減につながる「FlutterFlow」は、まさにマッチングアプリ開発にうってつけのツールといえます。
2. アプリ開発の補助金を利用する
マッチングアプリに限らず、アプリ開発には補助金を活用できる場合があります。その一つが「ものづくり補助金」です。
ものづくり補助金とは、中小企業などによる生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金で、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
「ものづくり」というと製造業をイメージしがちですが、アプリ開発にも多数の採択事例があります。オリジナリティのあるアプリであれば、補助金の対象となる可能性が期待できるでしょう。公募要領や対象となる事業を確認し、補助金の申請を検討してみましょう。
なお、令和5年度の補正予算案で「デジタル枠」は撤廃され、「製品・サービス高付加価値化枠」が新設されています。「製品・サービス高付加価値化枠」には、通常類型と成長分野進出類型(DX・GX)の2種類があり、それぞれ補助額や補助率が異なります。
新たに設けられた枠となるため、公募要件や応募時期を確認しておきましょう。
まとめ
本記事では活況なマッチングアプリ市場とアプリ開発の注意点について解説し、マッチングアプリ開発の課題を解決する手段として、ノーコード開発ツール「FlutterFlow」を紹介しました。
「FlutterFlow」は2021年に公開されて以降、全世界で約100万人以上に利用されていますが、残念ながら日本での活用はあまり進んでいないのが現状です。FlutterFlowをマッチングアプリ開発に有効に活用するためにも、FlutterFlowの日本語情報を発信するFlutterFlow専門Webメディア兼コミュニティ「FlutterFlow Cafe」をチェックしましょう。
「FlutterFlow Cafe」はエンジニア同士で交流できるSlackオンラインコミュ二ティの他、FlutterFlowのTipsや役立つ記事コンテンツまで、学びも幅広くサポートしてくれます。
Android、iOS、Webアプリの同時開発で無駄な開発コストを削減できる「FlutterFlow」を積極的に活用し、コストを抑えて充実したマッチングアプリ開発にぜひ取り組みましょう。