FlutterFlowやBubbleといったノーコード/ローコードの登場により、プログラミングスキルを持たなくても、Webサービスやアプリを立ち上げることが可能となっています。

しかし、日本では未だ起業事例が少なく、「ノーコードで満足のいくプロダクトが作れるのか」と懐疑的な方も多いでしょう。

そこで今回は、ノーコードを活用した海外の起業事例を6選ご紹介します。

Comet

まず初めにご紹介するのは、人材スタートアップのCometです。

Cometは、フリーランスマッチングプラットフォームを運営しています。

創業者のチャールズ・トーマスはプログラマーではありませんでしたが、ノーコードツールのBubbleを使用することで初期プロダクトを開発しました。

日本のクラウドワークスやLancersに似たビジネスモデルですが、Cometはフリーランスに特化しています。

Cometではリリース当初、代表自らが手作業でフリーランスのプロフィールを確認していました。
これにより、事業の要である「フリーランスの質」を担保することに成功し、立ち上げ3年で1,400万ユーロ調達、5年間で1,000社以上に使われるサービスへと成長しました。

・使用ツール:Bubble
・売上:推定MRR(月次経常収益)1億2,000万円(2022年時点)
・URL:https://www.comet.co

Teal


Tealは転職をサポートするプラットフォームです。

・40以上の求人サイトから求人情報を一括管理できる機能
・職種に合わせて履歴書を柔軟に修正できる機能
・求人をブックマークする機能

など、就職・転職活動において痒い所に手が届く機能が揃っています。

Tealでは、メインプロダクトにはBubble、リサーチにはTypeform、データベース管理にはAirtable、ウェブサイトにはWebflowを使用しており、それら全てをZapierで繋げています。

・使用ツール:Bubble、Typeform、Airtable、Webflow、Zapier
・売上:不明(1,100万ドル以上を調達済み)
・URL:https://www.tealhq.com/

Flexiple

flexiple

Flexipleは、質の高いフリーランスと企業をマッチングするサービスを展開しています。

通常、人材採用には3〜6ヶ月以上かかりますが、Flexipleを利用することによって、優秀なエンジニアやデザイナーフリーランスを1〜2週間でアサインできるようになりました。

Flexipleは、BubbleをベースにWebflow、Airtable、Unicorn Platform、Zapierといったノーコードで作られていますが、創業当初はSpreadsheetでフリーランスと企業をアナログでマッチングしていたそうです。

CEOのカーティク氏は、インタビューで次のように語っています。

テクノロジーの前にビジネスモデルを考えてください。テクノロジーは手段でしかありません。
ブロックチェーン、AIなどは単なるトレンドワードで、顧客からすると知ったこっちゃありません。顧客は「課題を解決してくれるかどうか」に関心を持っています。

問題解決が先で、テクノロジーは二の次です。

How Flexiple made $3 million with a no-code tech stack of $100/month

・使用ツール:Bubble、Webflow、Airtable、Unicorn Platform、Zapier
・売上:2021年11月時点で3億円以上
・URL:https://flexiple.com

Letterhunt

Letterhuntは、一言で表すと「ニッチなメルマガ発見ツール」です。

B2Bのマーケターが自社製品の宣伝チャネルとしてメルマガを検討する際、その製品にあった顧客がついているメルマガを探すのに手間がかかりますよね。

Letterhuntは、20カテゴリ10,000 以上のアクティブなニュースレター(メルマガ)をデータベース化し、提供しています。

無料版ではフィルター制限ありでメルマガ100件のみ、有料版では99ドル一回払いのみで10,000件以上のメルマガへのアクセス、ワンクリックで著者に連絡できるようになっています。

創業者のAkhilはプログラミングスキルを持っていないため、ノーコードであるSoftrとAirtableを組み合わせてLetterhuntを開発しました。

その結果、開始2ヶ月で450件以上の購入、40万円以上の売上を計上しました。

・使用ツール:Softr
・売上:開始2ヶ月で40万円以上
・URL:https://www.letterhunt.co

Swipe Files

Swipe Filesは、「マーケターが最高の仕事ができるように支援する」をコンセプトに創られたSaaSに特化したマーケティング学習支援サービスです。

マーケターは「次の打ち手が思い浮かばない…」「現在の施策の効果があまりよくない…」などの問題によく直面しますよね。

その行き詰まった状況を解決できるのがSwipe Filesです。
現在19,000人以上のマーケターが会員になっており、マーケティングの知見を交換し合っています。

例えるなら、マーケティング担当者が回答してくれる知恵袋です。
主にWebflowを用いて構築されています。

創業者のCorey Hainesさんは、Swipe Filesを作った方法を動画で解説しているので、会員制サービスをノーコードで作りたい方はぜひ参考にしてみてください。

解説動画はこちらから

・使用ツール:Webflow, Jetboost, Memberstack, Shoutout, Circle, Fathom, ConvertKit, RightMessage, Rewardful, Beamer, Transistor, Podia, Mailbrew, SparkLoop, Riverside, Integromat‍
・売上:月100万円以上
・URL:https://www.swipefiles.com/

Reachr

最後に、Reachrをご紹介します。
Reachrは、Instagram・TikTok・YouTubeのインフルエンサーと企業をマッチングするプラットフォームです。

まず、インフルエンサーはReachrに登録されているブランドのキャンペーンの中から興味のあるものに応募します。

その後、企業はブランドにあったインフルエンサーを選別します。

選ばれたインフルエンサーは、PRコンテンツをどのようなスケジュールで投稿するのかを企業に共有します。

画像出典:Bubble App of the Day: Reachr

日本であればモニプラファンブログが似たサービスですね。
※モニプラファンブログは、フォロワー数が多くないミニマムインフルエンサーに商品を提供し、レビューコンテンツを生成してもらうプラットフォーム。

Reachrは、ドバイをはじめとするUAE(アラブ首長国連邦)のスタートアップです。
アラブに商品を売り込みたい方には持ってこいのサービスですね。

ちなみに、企業側は無料でキャンペーンを作ることができ、キャンペーンが制約した場合の10〜15%を支払う成果報酬制となっています。


・使用ツール:Bubble
・売上:不明
・URL:https://reachrsocial.com/?ref=bubble.io

以上、海外のノーコードを活用した起業事例を6つご紹介しました。


いずれも日本未上陸のサービスなので、ローカライズすることができれば大きなビジネスチャンスになるでしょう。


ノーコードツールを使用することで、これらの事例が、皆様の新たなビジネスアイデアや挑戦の一助となれば幸いです。